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英語で for と言えば真っ先に「〜のために」と覚えた方が多いでしょう。けれども for にはもう一つ、基準や観点を示す働きがあり、この用法を使うと「期待と実際のギャップ」を自然に表現できます。今回はそのポイントを、具体例を通して丁寧に整理します。
1 基準を示す for の基本イメージ
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基準となる名詞を for の直後に置く
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「その基準で考えると意外だ/評価が変わる」というニュアンスを添える
この2つを押さえれば、「〜にしては」「〜の割に」をすっきり言い換えられます。
2 例文で学ぶポジティブ表現
She speaks English well for a beginner.
初心者にしては英語がうまい。
「初心者」を基準に想定されるレベルより上手だ、という意外な良さを伝えています。暗黙の期待(初心者=もっと下手)の裏をかくので、控えめに褒めるときに便利です。
It’s cold for April.
4月にしては寒い。
通常なら春らしく暖かいはずの4月ですが、「今日はその基準から外れて寒い」という状況を示しています。ここでも April が基準です。
3 for でやわらげるネガティブ評価
for は褒め言葉だけでなく、不満や失望をオブラートに包んで伝える役割も果たします。
He’s not very fast for a soccer player.
サッカー選手にしてはあまり速くない。
「遅い」と断言する代わりに、サッカー選手という基準を引き合いに出して柔らかく指摘しています。
The service was disappointing for a five-star hotel.
五つ星ホテルにしてはサービスが残念でした。
高級ホテルという期待値に照らした“不満”を穏当なトーンで示せます。
4 まとめ
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for + 基準名詞 で、期待値との差を際立たせる
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褒める場合にも不満を伝える場合にも応用できる
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会話・英作文ともに出番が多いので早めにマスターしよう
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【追加ポイント】
今回紹介した for と似た意味で considering という語もあります。どちらも「〜にしては」と訳せるものの、使い方には決定的な違いがあります。詳しい解説は動画が長くなるため割愛しましたが、興味のある方は下記公式LINEで 「for」 とメッセージを送ってください。自動返信で解説をお送りします。
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